健康で文化的な最低限度の生活1巻

柏木ハルコの新作。生活保護を担当する新人女性ケースワーカーの奮闘劇。昨今話題になってる不正受給の問題よりも病気を抱えた人やシングルマザーなど本気で生活に困窮してる人達に焦点を当てた内容になってる。今の所。物語に登場するケースワーカーの職員たちは受給者の中に不正はないか、生活能力の有無について常に神経を尖らせてチェックしており、話を読みながら悪い人なのか、助けなくてはいけない人なのかを考えながら読むのが楽しい。作品の雰囲気は軽やかでコミカルですらあるけど、生活保護の裏側には暴力や死、薬や病気、対人トラブルや孤独といった難しい問題が当然のように転がっていて、その闇を見つめながら、考え込んでしまう。