親なるもの断崖 第2部

第2部も良かったんだけど、第1部にあった、遊廓という特殊な世界を舞台に描かれる凄惨な人間模様の悲喜交々に比べると、ややありふれた反戦ドラマのように感じた。折角女郎を引退して静かに暮らせると思ったのに、母娘の縁が引き裂かれてしまうのは切ないな。後半に再会するシーンが描かれるんじゃないかと期待したがそれも無かった。お梅の葛藤は計り知れないものだと思うけど、あまり描写が無かったのが余計に悲しかった。

特高赤狩り言論統制って実際どの程度のものだったんだろう。平和や戦争終結を唱えただけで危険分子と見なされる社会なんて、想像もつかない。