もう一回見直したり、２ちゃんを中心に人の感想を読んだりして感じた事などをとりとめもなく書いてみる。
・藤崎マーケット。
2本共良かったけど、特に１本目が好き。エキセントリックな世界観を提示しながら分かりやすい起承転結のあるストーリーを展開したのが良かった。トップ向きじゃないし、出番順が遅かったらもっと高得点が付いてた可能性は高いと思うけど、分かりやすい内容のコントらしいコントだった事を考えると良いトップバッターだったなあとも思う。上位には食い込めなかったけど、藤崎のお陰で番組全体が盛り上がったと思う。KOCを含めてまだまだ賞レースに挑戦出来るから今後が楽しみ。
初見の時は１本目のネタがやや複雑に感じられたんだけど、もう一度見直したら勝ち上がっただけあり良いネタだった。特に後半のアメリカの青春ドラマのような芝居になる件は好きだな。見やすいのは2本目のバランスのコントで、2本目の方が好きではあるんだけど。アイスの当たりのネタがすごい好きなんだけど、あのネタに限った事じゃないけど途中で急に歌い始めるパターンが好きであれを決勝の場で見たかったという思いはある。審査員との掛け合いでも斉藤さんは面白かった。普通に喋ってるだけでも妙に可笑しい。
・さらば青春の光。
3回決勝に行ってるというのを踏まえてのパターンを変えて来たという事だと思うんだけど、やっぱりいつものパターンのネタの方が良かった。設楽さんの採点が示すようにネタ自体は面白いと思う。ただ、この場で受けるタイプのネタじゃなかった。森田さんは普通の役をやってても過剰に力が入ってる芝居なのに、芝居がかってる役をやるのは斉藤さん以上に暑苦しくて不自然で引いてしまった。ネタ選びを間違えただけという気もするけど、この場にこれを持って来た時点でやや迷走気味なのかなと思う。まあ見てる人はいつもはもっと面白いというのは分かってるし、優勝するポテンシャルを秘めた数少ないコンビなのでまだチャンスは与えられると思う。KOCに限らず。
・コロコロチキチキペッパーズ。
2本共面白かったし、ここは改めて書く事はないかな。ベタと言えばベタだけど、自分にはこの2人のコントは新しく感じた。
・うしろシティ。
うしろシティのコントってだいたいこんな感じで特に悪かったという感じもしなかったけど、大一番に掛ける勝負ネタとしては弱かった。うしろシティってドカンと笑いが来るタイプじゃないんだよな。演技が下手というより、９０いくつのおじいさん役ってのはそもそも配役に無理がありすぎる。この役柄でリアリティを生むのはかもめんたるやシソンヌだってなかなか出来ないと思う。転校生以上のネタじゃなければもう決勝にあがれないと思うし上がっても勝てない。
・バンビーノ。
ここも2本共良かったしあんまり書く事がない。リズムネタって誰もが出来るものじゃないし、今までなかったジャンルだから他と違う立ち位置に立てるだけ有利だなと思う。ちゃんと2本、みんなが期待してるリズムネタを用意してきて尚かつ受けるというのは凄いなーと思う。
・ザ・ギース。
ギースの凄いファンの人にはどうだったのかな。個人的にはこれだったら別のネタで上げて欲しかったと思う。発想力や底抜けのバカバカしさというのはある。ただ、後半がよく分からない。郷ひろみの件は2回見たけどやっぱり意味が分からなかった。千鳥が07年のM-1でやった象の飼育員のネタと似た感じの散漫な印象を受ける。今年のKOCってどことなく07年のM-1に似てるなーって思うんだよな。さらばが笑い飯で、巨匠がポイズン、ギースが千鳥で尖ったネタをやったコンビが下位に沈んで、分かりやすくてみんなが楽しめるネタをやったグループが上位に来るという流れが。分かりやすいネタだけが評価される時代が来る、とかそんな単純な話ではないとは思うけど。漫才でもコントでもベタや正統派もあればシュールなものや独創的なものがあって、どんなものであれ、面白くて質が高ければ笑う訳だから。
・ロッチ。
みんな口を揃えて2本目が…って言うけどそれに尽きるな。中岡さんが悲惨な目に遭ってコカドさんがやいやい言うタイプのネタで最近のものでこれっていうのがあればあっさり優勝してたと思う。2本目は賞レース向きの内容じゃなかった。過去のKOCでもネタ選びが悪いという印象だったけど、そういう所が変わってなかったのが残念。
・アキナ。
ブラックなネタに対する好みは別として、導入部分の何の笑いも無い会話の部分が長過ぎる。話を引っ張った割には弱かった。振りが長い構成自体がダメなんじゃなくて長さに対してネタが弱いのがダメなんだと思う。オサレもん関連の番組を見てるともっと別のネタの方が良かったんじゃないかという気はする。良いネタだと思うけど、この場に持って来るネタとしては違ったように思う。
・巨匠。
個人的には好きだったので審査員の評価が思いのほか低かった事が不可解で悲しかったんだけど、改めてもう一度見て、松ちゃんのコメントを聞くと納得出来る部分はある。設定やストーリーを岡野さんが説明してるだけに見えちゃう所がある。去年のネタもそういう印象が強かった。前の記事で審査方法は以前の形式の方が良かったと書いたけど、大御所芸人による真剣なアドバイスが聞けて、その言葉の解釈や是非についてお笑いファンの間で議論が巻き起こったりするのは、すごく有意義な事だなーと思う。「笑けずり」の豪華版みたい。審査員で言うと松ちゃんと設楽さんが良くて、三村さんは好みがはっきりし過ぎてる所はどうかと思うけどコメントは良かった。大竹さんはコメント下手、日村さんは印象に無いという感じ。来年もこのシステムならシティボーイズ関連の人が一人居て欲しいなと思った。
