チョップリン単独ライブ東京公演 「ミカン畑は退かない」

チョップリンの単独ライブを見て来たので軽く感想。コントネタ演目は以下。

 

●ネタ見せオーディション ●面倒臭い人 ●拳銃を撃ちたい警官

●路上詩人とストリートミュージシャン ●捕虜

●映画館 ●懺悔室 ●ひいじいちゃん(病室編) ●遅延電車

 

●ネタ見せオーディション

ネタ見せオーディションに来た小林さん扮するピン芸人のネタがとにかく長いというネタ。と言っても実際に長いネタをダラダラやるという事ではなく、長くやってるように見せる演出がされていて、そこがコントや演劇の面白さだなと思った。振り返って考えてみるとこのネタが一番分かりやすくチョップリンらしさのある、テレビ映えするネタかもしれない。

●面倒臭い人

ラバーガールの鍋のコントを思い出しながら見ていた。しょうもない状況に巻き込まれる男の悲劇を描いたシチュエーションコメディ。携帯電話を使ったやり取りが今時っぽくて面白かった。「カップラーメンにお湯を入れたけど、それを取りに行くのが面倒臭い」というのは凄いなと思ったけど、小林さんが言うと妙にリアリティがある。

●拳銃を撃ちたい警官

田舎の警官2人の馬鹿コント。警官が意味も無く銃を乱射しまくり、民家や動物、果ては人まで撃つという倫理観をすっ飛ばしたアナーキーコント。あんまり真面目に考えるととんでもないネタだけど、バカバカしくて楽しかった。しかも、拳銃を撃つ衝動を麻薬中毒者の依存症のように表現するという不謹慎極まりないネタ。ライブならではのネタでテレビはおろかDVDにも入れられないと思う。

●路上詩人とストリートミュージシャン

このネタはいまいちだった。路上詩人の詩が最初から舞台上にはっきり見えるように配置されてるんだけど、やっぱり先が読めちゃう。

●捕虜

捕虜の役しかやった事が無いベテラン俳優のコント。自分はどうしてもこういうボケ一個ひたすら押すというネタが苦手なんだよな。飽きるから。

●映画館

個人的にはこのネタが一番好きで笑った。西野さんがコントの映画館の客として、実際に新宿角座の客席に座って、舞台上に立つ映画館の劇場支配人役の小林さんに声だけで野次を飛ばすという作りのネタ。これもライブならではの特別演出だけど、こういうネタもこの形のままテレビやDVDなどで再現できたらお笑いの映像表現として広がっていいなと思った。西野さんが野次ってるカットは無しであくまで声だけっていう見せ方。このネタは「映画館の客はなんであんなしょうもないネタで笑うのか」という皮肉が感じられて面白かった。

●懺悔室

宗教に無頓着だからよく分からないけど、真面目な人が見たら怒るかもしれないとは思った。

●ひいじいちゃん(病室編)

前の単独でもやってたネタのパターン違い。一度見たら忘れられないインパクトの強いネタ。バカバカしく笑えつつも延命措置の是非を考えさせる道徳的なテーマも含んだコント。前回の、敢えて言えば(自宅編)の方が笑いやすい人は多いかも。

●遅延電車

電車が遅延してる路線の駅の駅員が演説するネタ。電車が遅れるのはイライラするけど、それを駅員さんにぶつけても仕方ないし、そういう光景を見ると更にやるせない気持ちになるので共感しながら笑って楽しめた。小林さんは今年のR−1にこのネタを一人コントに変換して出場して3回戦でダダ滑りだったと、アフタートークで話してて、つっこみがないと刺々しくなって辛いだろうなと思ったけど、ファンとしてはそれも見てみたいと思った。