ザ・ノンフィクション マキさんの老後〜絶望と希望の旅立ち〜 前編

女装の夫と男装の妻の夫婦の物語。若い頃は自由を謳歌してお金もあって幸せだったけど、年齢を重ねて体を壊したり仕事を失ったりしていく中で、老後の夫婦生活を見据えていくという内容。タイトルにあるように女装の夫・マキさんを主体に描かれている。

 

歯磨きしている最中に行われた歯磨きについてのインタビュー、お金が無くて我慢していた煙草を久々に買いに行き、禁煙の辛さをコンビニのおばさんに切々と訴えるシーン、母校の早稲田大学に赴き、大隈重信像の前で思い出話に花を咲かせるシーン、ゲイ仲間の先輩に誘われて滝業に行き、精神的にポジティブになったはずなのに、妻の佳枝さんとどうでもいいような口喧嘩を始めるシーンと「老後」というテーマに関係があるんだかないんだか何だかよく分からないシーンの連続で逆に目が離せなかった。

この番組は、大抵は大きなテーマがあってそれを照らし出すようなエピソードが散りばめられるという手法で作られているけど、この回に関しては、マキさんが失職中でエピソードが無い中を無理に埋めたせいか、何とも妙な仕上がりになっている。普通に見れば「退屈」だとか「何をやっているのかよく分からない」とチャンネルを変えると思うけど、見方を変えればこの何でも無いエピソードの連続こそ本物の人間ドキュメントという感じがする。後編を見ないと何とも言えないけど、かなり好きな回。

ザ・ノンフィクション - フジテレビ