かけおちはスクーターに乗って 1巻

王道の恋愛ストーリーだけど、この作品にも野村宗弘の作品でしか味わえない雰囲気と空気感がある。切なくて影があるのにほんわかしていて明るくて、大人同士なのに中学生のように純情でほろ苦い。トーンを多用した暗めの絵作りが夜の闇に包まれているようで心地良い。書店にいくと「結局かわいい女の漫画が売れるのか」と思ってそういうのは読まないようにしてるけど、野村宗弘の漫画に出てくるヒロインは憂いがあって、どこにでもいそうな平凡さがあって、自然でちゃんと人間らしくて魅力的だから、キャラクターの魅力というのは大事なんだろうなーと思う。