令和2年度 NHK新人お笑い大賞

 

Aブロック

 

●吉住(コント「銀行強盗」)

THIS IS パン(漫才「おもてなし」)

フタリシズカ(コント「アイドルオーディション」)

●令和ロマン(漫才「ナンパ」)

 

Bブロック

 

●チェリー大作戦(コント「テスト中」)

●カベポスター(コント「マジック」)

さや香(漫才「人体の不思議」)

●ねこ屋敷(コント「お菓子」)

 

最終決戦

●令和ロマン(漫才「携帯電話の購入」)

さや香(漫才「寿司」)

 

各組一言ずつ感想

 

吉住

吉住のネタってコントとして完成度が高いと思うけど、コントだなーと思う自分が居て、何を言ってるのかよくわからないと思うので補足すると、「コント」「お話」という感じが目立つと自分は作り物っぽく感じられて冷める所があって、コントだけど真に迫るものがあったり、共感が強い内容だと、コントだけどグッと来る、という風になる。このコントは、こんな感じの女性はいるなーと思いつつ、この状況であんな風に振る舞うのは「コントだから」と思えてしまう。理由付けや、オチの秀逸さなど、優秀すぎるくらい優秀で、そうなると、「構成の巧みさ」や「脚本の面白さ」というのを強く感じて、作り物感が出る。 無理のある脚本を辻褄をあわせてまとめあげている点がコントなんだ、という見方もあると思うけど、自分はそもそも無理のある脚本に思えてあまり深くは入り込めなかった。

 

THIS IS パン

吉田さんのキャラクターやトーンは良く知っているけど、それにしても声が聞き取り難い。男女コンビ間で、家に呼んでもてなす、という設定は、本人達にとっては「有り得ない絵空事」なんだろうけど、このコンビの事をそこまで知らないので、どういう距離感で見て良いのか戸惑う。ここも設定であまり入り込めなかった。

 

フタリシズカ

ABCの時のネタ。このネタは改めて見ても楽しめるくらいに好きだった。今までありそうでなかった新しいアイディアがあって、そこに色んなパターンを詰め込んでコンパクトにまとまっている。

 

令和ロマン

テレビでしっかりと漫才を見たのは初めてかもしれない。小ボケの応酬という感じだけど、どれも少し意外性を感じるセンスがあり、間の取り方が上手い。吉本とはいえ、東京の漫才師で、「飛び道具」「キャラクター」「システム」なしに正統派のボケつっこみの掛け合いで、分かりやすい題材、分かりやすい内容の漫才で、ここまで面白いコンビというのは久しく居なかったような気がする。強いて言えば正統派にありがちな個性の弱さというのはあると思うので、「M-1ファイナリスト有力候補」とは言えない面はある。

 

チェリー大作戦

ここもABCのネタ。フタリシズカ同様にアイディアが素晴らしくて、バランスが悪い所もない。選曲にあまり意味がないように思えるのが気になる位。

 

カベポスター

まずコントなのに驚く。カベポスターの漫才も好きだけど、今回のを見る限りコントの方が好きかもしれないと思った。このネタのアイディアには驚かされた。磁石の道具はなんだったんだろうと思えて、あれは無くても良いような気がしたけど。2人の淡々とした自然な演技がいい。

 

さや香

1本目はいつかのM-1予選のネタで見た記憶がある。こんなに面白くても決勝どころか、準決勝にも残れないのは厳しいと思ったのを覚えている。相当バカバカしいネタなんだけど、新山さんの熱量のある演技を見ているのが楽しい。ただバカなのでなく、バカなりに論理があって、言い分が理解できるのが良くて、議論になっているのが面白い。コンビとして、品と華やかさがあって、見ていて清々しい気持ちになる。ここは、ネタ次第でいつM-1決勝でリベンジを果たしてもおかしくない雰囲気がある。

 

ねこ屋敷

ここまでレベルの高い漫才、コント、ピン芸が続いた中で、拍子抜けするくらいにゆるいネタで、そのゆるさにほっとさせられた。やはり歌のメロディーというのは印象が強く残るし、ビジュアルが良い若い女性コンビというのも出演者を相対的に見ると異質な存在に感じた。

自分は結構このネタは好きだった。あるあるネタで、悪意も下ネタもなく、ただただしょうもなくて、平和でのんき。

 

 

 

 

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