BUCK-TICKの全フルアルバムを回想する②

 

HURRY UP MODE

オリジナルは1987年、リミックス版が1990年。唯一のインディーズ作品。素朴な演奏、青臭い歌詞が苦手で買ったばかりの時は殆ど聴かなかった。とはいえ、この時点で既に「HURRY UP MODE」も「MOON LIGHT」も「ROMANESQUE」もあるし、個人的に好きな「ONE NIGHT BALLET」や「TELEPHONE MURDER」もあり楽曲の良さはインディーズ時代から揺るがない。

 

SEXUALXXXXX!

1987年作のメジャー1作目。「Six/Nine」の世界観が好きだった自分にはこのポップすぎる世界観、音作りに違和感を感じて買った当時はあんまり聴かなかった。「COSMOS」はポップに原点回帰したとか言われるけど「COSMOS」ってあんまりポップだと思ってなくて、このアルバムが断トツでポップだと思う。少女漫画っぽい感じがする歌詞の曲もあるし、サウンド全体がキラキラしてる。「HURRY UP MODE」同様にこの時点でバンドのカラーが定まっていないだけで完成された曲の良さや歌詞の世界観はある。表題曲の「SEXUALXXXXX!」、ファン人気が高い「MY EYES&YOUR EYES」など超初期の時点で楽曲の完成度が高い。「SISSY BOY」、「ILLUSION」あたりはポップな音と青春の甘酸っぱさが混じって、ダークなBTが好きな自分もこれはこれで好きだと感じる。陽と陰があるというのは当然だけど、ここまで差が激しいバンドは数少ないと思う。

 

SEVENTH HEAVEN

1988年作のセカンドアルバム。ここでも変わらず楽曲はもの凄く良い。ただ後のリメイク作やライブでの演奏に比べると迫力に欠ける。「VICTIMS OF LOVE」や「ORIENTAL LOVE STORY」は後の「殺シノ調ベ」バージョンと比べると、地味な印象が強い。「殺シノ調ベ」のアレンジがすさまじすぎるのもあるけど。このアルバムで一番好きなのは「CAPSULE TEARS」だけどあんまりピックアップされないので寂しい。ラストの「MEMORIES」~「SEVENTH HEAVEN」の流れも好きでいつかライブで再生してくれないかなと期待してる。

 

TABOO

1989年作。「Six/Nine」の世界観でファンになった自分にとってはようやくしっくりくる初期作品に出会えたという感じがした。歌詞も楽曲もダークというよりグロテスクという表現の方が合う。このアルバムがそれまでの3枚のアルバムと明らかに違うのは、櫻井さんの作詞が増えたことで、櫻井さんの思い描くイメージが音になって表れてるように感じる所。

櫻井さんから「ダークな作品を作りたい」という要望があったようで、その辺り言葉と音でどのくらいイメージの擦り合わせをしたのかわからないけど、このアルバム以降暫く、今井さんの描く世界というよりは櫻井さんの思い描く世界を今井さんが音で表現しているような印象がある。

 

悪の華

1990年作。このアルバムはダークでゴシックで妖しさのある音というのをバンドのカラーとして確立した感じがある。個人的には人気のある「NATIONAL MEDIA BOYS」もそんなに好きじゃないし、「悪の華」と「LOVE ME」は断然「殺シノ調べ」バージョンの方が好きだし、あんまり好きなアルバムではない。「SABBAT」、「MISTY BLUE」、「KISS ME GOOD-BYE」辺りは好きだけど、アルバム全体の録音の感じがあんまり好みじゃない。「悪の華 2015MIX」の方が好きだ。