BUCK-TICKの全フルアルバムを回想する⑤

RAZZLE DAZZLE

2010年作。このアルバムはすごく好きで通して良く聴いている。80年代っぽいシンセサウンドって過去の作品のデジタルとは趣が違って、新鮮に感じた。80年代ポップもあれば、BTらしいダークな曲、ラテン曲もあり、櫻井今井ツインボーカル曲もありバラエティに富んでいる。

 

夢見る宇宙

2012年作。ストレートなロックンロールみたいなタイプの曲があんまり好きじゃないので飛ばしてしまいがちなのでトータルで聴く機会は少ないかもしれない。アルバム総体というより楽曲単位で「エリーゼ」、「MISS TAKE」、「夢路」、「夜想」、「夢見る宇宙」辺りは好きという感じ。

夢見る宇宙

夢見る宇宙

  • アーティスト:BUCK-TICK
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或いはアナーキー

2014年作。近作の中で特に今井さん色が強いアルバムという印象で、今井さん作詞の曲が多い。このアルバムは芸術がテーマで、今井さんは元々好きなんだと思うけどダダイズムとかシュールレアリスム良いよね!という熱にメンバーが良いよねって共鳴していったようなイメージが思い浮かぶ。星野さんは「SURVIVAL DANCE」と「サタン」を聞く限りはテーマ、コンセプトに頓着せずマイペース。散文的な「NOT FOUND」、「ボードレールは眠れない」辺りが特に好き。

或いはアナーキー(通常盤)

或いはアナーキー(通常盤)

  • アーティスト:BUCK-TICK
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アトム 未来派 No.9

2016年作。癖が少ないアルバムで、ダークで打ち込みありのロックというBUCK-TICKらしいアルバム。前半にアップテンポの攻撃的ナンバー、中盤ミディアムテンポ、ラストが希望にあふれた「NEW WORLD」で終わるアルバム全体の流れが良い。良曲が多く、2022年発売のベストアルバムに収録された曲が多い。

 

No.0

2018年作。重厚なゴシック「BABEL」、美しいミディアムバラード「Moon さよならを教えて」という先行シングルの時点で期待が高まったけど、相変わらず楽曲に関してはBUCK-TICKなんだから良くて当たり前という、良いアルバム、良い曲を淡々とコンスタントに生み出し続ける化け物バンドだと思う。完成品として「狂った太陽」「Six/Nine」というものがあって、基本的には音楽としてはそこから何も変わってなくて、新しい要素を取り入れたり、チャレンジをしたり、時代に合わせて変化し続けているバンドだと思う。

 

ABRACADABRA

2020年発表の最新作。最高傑作は「Six/Nine」だと思っているけど、BUCK-TICKの作品を聴いていると、必ずしもそうではないのかなと思えてくるし、35年というキャリアを積んだ今、それを更新するようなもの凄いアルバムを作るんじゃないかという期待感を常に抱かせてくれる。95年以降の作品は、この記事で書いているように好き嫌いの波はあれど、どの作品も魅力的なもので、BUCK-TICKでしか表現できない世界が広がっていた。普通、バンドって良いアルバム、良い曲って限られてるものだけど、デビューから還暦近い年齢に至るまでの作品で、クオリティを落とさず、新しいものを取り入れながら成長を続けるバンドって世界的に見ても希少だと思う。このアルバムだと特に「ユリイカ」。ここ数年で出したシングルを含むどの曲よりもライブで一体になれそうなキャッチーでシンプルなロックナンバー。心のどこかで初期に立ち返ったようなこういう曲を待っていたのかもしれない。「ONLY YOU」とか「CLIMAX TOGETHER」はあんまりBUCK-TICKっぽくなかったのでこれじゃない感があったけど、この曲は「HURRY UP MODE」から「SEVENTH HEAVEN」の頃のBUCK-TICKの匂いが残ってる。

ABRACADABRA

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