同窓会代行 売野機子作品集2

売野機子による短編集。友達の代わりに同窓会に出席する「同窓会代行」、居なくなった恋人との一夜の再会を描く「訪問者」、里帰りで故郷や自分自身を見つめ直す「パラダイス前夜」、BLギャグ「もっともっとよく見て」「もっともっともっとよく見て」、深夜のファミレスの元気な女子2人による会話劇「未明のGIRL」、小学生の男の子が中学生男子に憑衣をして好きな子に会いに行く「LAST CIRCUS」、男男女の奇妙な三角関係を描いた「愛のけものにしたがいなさい」の8編。どの作品もシチュエーションや切り口が変わっていて、更に同性愛を扱ったものが多く、一風変わった恋愛ストーリー集になっている。思春期の頃の曖昧で言葉でははっきりと表現できないような繊細で柔らかい感情を、詩的な言葉で曖昧なまま表現していてそれがとても心地良かった。松本充代っぽいと思ったけど、大島弓子との相似を指摘する意見があり、確かにそっちに近いかもしれないと思った。特に表紙にもなっている、表題作「同窓会代行」での明け方の電車で疲れて寝てしまうシーンがとても印象的だった。

同窓生代行―売野機子作品集2

同窓生代行―売野機子作品集2