昭和・平成の消された“暗黒史”日本タブー事件大全

社会的に大きな影響を及ぼした凶悪犯罪を題材にした短編漫画18篇が収められたオムニバス。特に印象的だった作品は、「八ツ墓村」のモデルになったという「津山30人殺し」、倫理的に許されない人格改造手術を強制されて、施術した医師に復讐する「ロボトミー殺人事件」、背後に大きな疑惑を抱える「日航機墜落事故」、宮崎勤死刑囚の著作を元に精神異常者の心理を淡々と描く「宮崎勤の見た風景」、作家の色が濃厚に出過ぎて昭和の猟奇コミックのような味わいになっている「多摩マンホール死体遺棄事件」、ある霊感商法団体の人間が事件関与を取沙汰される「歌舞伎町ビル火災」など。ロボトミー殺人事件と宮崎勤事件を描いた漫画家が同じ人(烟巻和美)なんだけど、精神のあっち側の空気を表現するのがとても上手くて引き込まれた。暇潰しには持ってこい。

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