- アーティスト: BUCK-TICK,櫻井敦司
- 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1999/07/14
- メディア: CD
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ゲストコーナー
●矢野兵動(漫才「世間話」)
●ジャルジャル(コント「数学の先生」)
Aブロック
●からし蓮根(漫才「保育士」)
●ラフレクラン(コント「告白」)
●ゆりやんレトリィバァ(コント「シャネルのCMの世界観」)
●マルセイユ(漫才「放課後デート」)
Bブロック
●ロングコートダディ(コント「服装チェック」)
●ジャイアントジャイアン(漫才「星の数ほど女はいる」)
●田畑藤本(漫才「勉強ができる奴は損をしている」)
●THE GREATEST HITS(コント「映画の予告」)
Cブロック
●紺野ぶるま(コント「浮気」)
●ツートライブ(漫才「幽霊を見た話」)
●霜降り明星(漫才「カラオケ」)
●ハナコ(コント「ハチミツ」)
決勝
●ロングコートダディ(コント「旅人」)
●霜降り明星(漫才「小学校」)
各組一言ずつ感想
●からし蓮根
昨年のM-1予選で話題になったコンビ。真顔で淡々とボケるというのがこのコンビの持ち味だけど、こういう大会で見るとちょっと地味に感じる。この芸風ならシュールでぶっ飛んだボケがもう少しあって良いと思う。後半はらしさがあって良かったけど前半はあまり個性を感じず凡庸な漫才に見えた。
審査員が指摘してたけど、ラフレクランの別のネタ(「キラキラしてる」)の視点を変えただけという感じがした。意地悪な言い方をすれば、女性が喜びそうなネタだなあという感想しか無い。
このネタは何が面白いのかよく分からなかった。
こういうノンスタイルみたいな漫才は苦手なんだけど、Aブロックの中ではマルセイユが一番良かった。設定も内容もスタンダードを絵に描いたような漫才だけど、その中にマルセイユの個性やセンスがしっかり感じられた。笑い所を沢山入れる漫才は古いなんて言われるけど、こういうコンテストで見ると印象がいいというか高い点数を付けたくなるのはよく分かる。細かいボケのラッシュとそれを丁寧につっこむお手本のような漫才。革新性は皆無だけど。
2本目は踊りの時間が長過ぎた。2本共、登場人物を3人にするという工夫があったけど、奥行きがあって良かったと思う。
2本共良かったけど、自分は2本目の「旅人」のネタの方が面白かったので点差が開いたのは悲しかった。1本目は地味な設定だったけど、リアリティがあってじわじわ面白さが広がって行く良いネタだと思う。この2人ならではのシュールな空気感や他と重ならない独特な視点があってすごく良かった。
一人喋りが加速するという進化というか変化があった。一人喋りする方がはっきりと分かりやすい形でボケに見えたのは良かったかもしれない。
●田畑藤本
論理的でありながら熱量や実感が伝わって来てすごく良かった。ほぼ藤本さんの独壇場で田畑さんの存在感が薄かったけど、田畑藤本が面白い時って藤本さんが突っ走ってる時が殆どの気がする。
●THE GREATEST HITS
ネタのアイディアがすごく面白かった。音響の使い方が本格的で安っぽくなかった。ネタとしては1個目のどういうネタなのか分かる所が一番面白くてその後やや繰り返しに見えて1個目を超えていかなかった感じがあって物足りなかった。
何の話をしているのかよく分からなかった。酷いなら酷いでもっと酷くしてくれないと中途半端に感じる。
●ツートライブ
イキリ漫才。ただノンスタイルとか、キングコング西野とは全然違うテイスト。演技じゃなくて地に見えたし、こういう感じの人いるなあという所をネタに落とし込んでいて自然に見えて良かった。
動きのボケって一瞬何をやってるのか分からないからつっこみが早く感じるんだけど、待ってるとテンポが悪くなるからしょうがないんだろうな。去年からやってるネタだけど確実に進化させているのが嬉しい。まだまだ若いコンビなので成長が楽しみ。現状でも充分勝てそう。
●ハナコ
あんまりこのネタ好きじゃないんだよなーと思いながら見ていたけど、ぶっ飛んだ設定で終わらせずに展開が広がって行く感じが賞レース向きの作品性のあるネタなんだなあと思った。
各ブロック毎に審査員が1〜4位まで順位を付けるというのをやっていたのでそれに倣って順位を付けてみる。
Aブロック
1位マルセイユ2位からし蓮根3位ゆりやんレトリィバァ4位ラフレクラン
Bブロック
1位ロングコートダディ2位田畑藤本3位THE GREATEST HITS4位ジャイアントジャイアン
Cブロック
決勝
Far Beyond Driven (20th Anniversary Edit
●横澤夏子(「◯◯な女」)
チャンピオン大会直前!最後の1枠争奪戦SP
●ペンギンズ(漫才「結婚の挨拶」)67票
●オジンオズボーン(「シャッフル男爵」)77票
●全力じじぃ(漫才「癒し」)54票
●笑撃戦隊(漫才「イチゴ狩りとオヤジ狩り」)70票
●新作のハーモニカ(漫才「校歌」)79票
●ヤングウッズ(コント「笑い方」)47票
●霜降り明星(漫才「小学校」)58票
●ラフレクラン(漫才「防犯用カラーボール」)82票
●クロスバー直撃(コント「郵便ポスト解体ショー」)35票
●トンツカタン(コント「ラップバトル」)55票
●TEAM近藤(コント「アイドルオーディション」)32票
●ジグザグジギー(コント「ビール」) 31票
各組感想
●ペンギンズ
良かったけど、この並びで見るとスローテンポによる手数の少なさやパターンが決まってる故の裏切りの無さなど物足りない印象が残る。
オジオズは漫才でもコントでもない余興のようなショー。自分はこのネタの下らなさに嵌ってしまって大笑いした。投票するなら迷わずここ。
ここはネタが変わらない。
●脳みそ夫
ここも基本はずっと一緒。登場人物が多いのに演技によるキャラ分けが曖昧なのは意図してやってるのかもしれないけど、見てる方にとってはややこしいだけに感じる。
●笑撃戦隊
高めのハードルを設定してそこを超えて行った。昔からやってるという有名なネタ、初めてちゃんと見たけど面白かった。
●新作のハーモニカ
ここのつっこみの子の自然な演技は良いと思う。この並びで2位というのは凄い。
コントというより一発芸。「勝手にシンドバッド」のイントロなんて今の若い子は分からない。
監督が注意する所が良かった。ああいう言葉の笑いも増えると楽しみやすい。
霜降りに続き、ベタで動きメインでテンポが良いという漫才。特別良かったとは思えないけど、勝ち上がりに異論を唱えるほどではない。
●クロスバー直撃
片方の人がR-1の予選でやっていたネタ。オチはその時より良いと思う。
ハチ公の話で泣くというのがどうも安っぽいし嘘くさく感じる。
●TEAM近藤
何をやってるのかよく分からない。
いくらネタ消費が激しいとはいえ、最下位になるのも、このネタならしょうがないと思われるのもまずいと思う。前年のKOCファイナリストなんだから。
●トンツカタン(コント「リベンジポルノ」)
●ジェラードン(コント「懺悔室」)
●ネルソンズ(コント「花火大会」)
●ジェラードン(コント「転校生」)
初期のメンバーは裏笑い的なインパクト芸が多かったけど、今のメンバーは、インディアンス、ジェラードン、ネルソンズ、ゆにばーす、イヌコネクション、脳みそ夫など、賞レースの次世代ファイナリスト候補や、それを抜きにして売れる可能性のある芸人が揃っていて毎週のネタバトルはかなり見応えがある。
今回は関東を代表する若手トリオ芸人3組が揃い踏みでそれぞれに面白く、キングオブコントに向けて語りたい思いもあるので各組についての印象を書いて行く。
トンツカタンはどのネタも水準以上に面白く、ネタの切り口や発想は光るものがある。ただ自分はその切り口や発想に重点が置かれすぎてるように感じられて、あまり面白味を感じられない。漫才のカミナリもそうだけど、伏線回収を肝にしているロジカルなネタはどうも好みではない。それを自然にやられると鮮やかに感じるけど、トンツカタンのコントはどことなく不自然で作り事っぽくて入り込めない。台本の面白さは文句無しだけど、そこだけが際立って感じられて、演じてる人間の魅力が伝わってこない。コントというのはやはり演じてる人のキャラクターが演技や役柄に反映されているかどうかというのが大きいように思うし、漫才でもコントでも若手がぶち当たる壁なんだと思う。スルッと今年のKOC決勝に上がって来てもあまり驚かないと思うけど、上位には行かないだろうなと思う。
ネルソンズは本当に面白い。「おもしろ荘」での「自殺を止める」ネタだけなのかと思ってたけどその後のコントもコンスタントに面白く、今回披露した「花火大会」のネタは「自殺を止める」ネタに匹敵するコントだと思う。必ずしも良いとは思えない和田まんじゅうの滑舌悪いキャラをとにかく押しまくって見てる人が慣れてき出してるのがすごい。女性役が出てくる恋愛ネタやパターン替えに行かず、一貫してどうしようもない中年男の悲哀を描いている所が良い。ここはトンツカタンと違って、決勝に行きさえすれば大嵌りしそうな雰囲気がある。
今回披露した2本のネタもかなり良かったと思う。この番組の雰囲気には合うけど、賞レースという目線で見ると、トリオ芸的なノリが強くて不向きかもしれない。以前はかみちぃのワンマントリオという印象で、ポスト・ロバートという見られ方をしていたけど、かみちぃを上回る存在感を放つ西本さんが覚醒し出してから、格段に面白くなって、ロバートとはまた違うジェラードンだけの世界が見えて来た。ホリケンが2人いるネプチューンというのが一番近いかも。このトリオは面白いから絶対に売れるし、テレビで売れなくても劇場にお客さんが沢山入ると思う。KOCは残れば結果は出すと思うけど、タレントとしての華は感じないのであまりテレビにバンバン出るタイプではなさそう。トンツカタンとネルソンズもそうだけど。ただこの3組は現実的にKOC決勝を狙える所に居ると思う。