女芸人No.1決定戦 THE W 2019

 

Aブロック

 

●そのこ(「電車アナウンス」)

●にぼしいわし(漫才「迷信」)

●123☆45(漫才「栃木と東京」)

ハルカラ(コント「ママ友」)

3時のヒロイン(漫才「朝ドラ」)◯

 

Bブロック

 

おかずクラブ(コント「ヒモパン」)

●はなしょー(コント「嫁姑」)◯

●つぼみ大革命(コント「美容室」)

阿佐ヶ谷姉妹(コント「小学校」)

紺野ぶるま(コント「卒業の日」)

 

最終決戦

 

●はなしょー(コント「お飯事」)

3時のヒロイン(コント「浮気」)◯

 

 

 

 

大会全体

 

今回は番組演出がガラッと変わった。M-1、KOCほどの緊張感はないけど、以前まであったネタ特番の一個みたいな緩い雰囲気はなくなった。以前は、女性芸人の大会という事で敢えて緩く、軽い感じにしてる所はあったと思うけど、 やっぱり賞レースはある程度は緊張感があった方が見ていて面白い。説得力のある審査員が座ってるだけで大会って締まるんだなと思った。それだけではないにせよ、そこが一番大きな違いだったように感じた。

 

そのこ

 

自分的には電車のアナウンスネタというのはもういいかなと、あまり鮮度を感じなかったんだけど、決勝戦映えという意味ではこのくらい、シンプルで分りやすいネタが良いんだなーと思って見ていた。「女性の英語アナウンスがエロい」というのは新しい視点で良かったと思う。

 

にぼしいわし

 

今年のM-1GYAOの予選動画で知って、面白い感覚の女性漫才コンビだなと思っていた。自分的には今回のネタにはハマらず、予選動画のネタの方が面白いように感じた。拘ってるポイントがはっきりとある漫才は好きだけど、今回のネタはそのポイントが自分には刺さらなかった。王将のネタみたいに展開やストーリー性のあるネタを期待している所があった。

 

●123☆45

 

ここは1組目のそのこと同じでとにかく分かりやすくてシンプルなネタの方が良いんだなと思った。自分は漫才でもコントでも何でも、自然でリアリティがある流れに見えるかどうかというのを重要視しているのでその部分で引っ掛かりを感じる所はあった。あとに出てくるはなしょーもそうなんだけど、どうでもいいような細かい部分に関して、しっかりしているとすごくそのネタが好きになるし、逆にそれよりも面白さや話の展開を優先させているように感じられるとあまり好きになれない。

 

ハルカラ

 

123☆45の所で書いた事で言えば、ハルカラのコントはこのネタに限らず、自然でリアリティのある掛け合いに感じられるので好きだ。元々好きというのもあるけど、自分は10組のネタの中でハルカラのネタが一番面白かった。少しネガティブな要素があるのはやっぱり賞レース決勝だと敬遠される部分はあるんだなと思いつつ、でもまあこの辺は好みの問題で、自分は誰が見ても楽しめる明るいネタよりも、悪意があったり、人によって受け止め方が変わってくるようなネタの方が好きなんだと思う。台本も演技も素晴らしかった。これで勝てないのは不思議にすら思う。

 

3時のヒロイン

 

自分は1本目の漫才はちょっと新しさとか個性に欠けるように感じられた。トリオのバランスが良いし、テンポも技術の高さも素晴らしいと思うけど。やはり2本目のネタの方が3時のヒロインの魅力が出ていると思う。

 

おかずクラブ

 

このネタは自分は全然分からなかったのでなんとも書き様が無い。芸人さんが好きなネタと誰かが言っててなるほどと思ったけど、何故、設定自体がボケ、みたいな変わったネタをこの場に持って来たんだろうと不思議に感じる。もう一回見返したら、もしかしたらハマるのかもしれないけど、とりあえず一回見た印象は分からなかったとしか書けない。

 

はなしょー

123☆45の所で書いた、自然でリアリティがある流れに見えるかどうかという所で1本目は少し引っ掛かって見えてしまった。ハンバーグにナイフ、豆腐に小型爆弾装置、嘘だとしてもというより寧ろ嘘だからこそもっともらしさが必要だと思うんだけど、ストーリーの流れを優先して細部が粗くなってるように感じられた。ただここの1本目のネタはその部分を差し引いて考えても演技、話の展開、ワードの力に他の何者にも代え難い力強さを感じる。

 

つぼみ大革命

 

はなしょーとの比較対決になったけど、自分は台本だけで言えばつぼみ大革命の方が上だったと思う。ファイナリストに相応しい面白いコントだった。アイドル兼業でこんなに面白くて結果を出してるのは驚きしか無い。いわゆる芸人さんのコントというよりは面白い小劇団の演劇を見たという感覚に近い。ネタの作品性としてはつぼみ大革命の方が良かったくらいだけど、はなしょーはどのネタであっても、はなちゃんの強い個性と人間的な魅力が溢れていて、一方で台本の力、いやな言い方をすればこの9人じゃなくても成立するコントとを比較するとなると、難しいけどはなしょーの方が高評価になったのは共感できる。

 

阿佐ヶ谷姉妹

 

阿佐ヶ谷姉妹紺野ぶるまは設定が素晴らしかった。歌とダンスが入っていて楽しかった。あんまりコントだと入れて来ないイメージあるけど。

 

紺野ぶるま

 

R-1、THE Wとファイナリストの常連で、毎回ネタは面白いのになかなか勝ち進めないという状態が続いているけど、今回のネタも抜群に面白く、この人のネタは決勝に上げたいと審査員が感じる強い魅力があると改めて思った。ヒロミさんが後半に爆発するようなポイントがあれば…というような話をしていたけど、それと同じ意味なのかどうかはよくわからないけど、自分は見る人によって怒ったり、不快に思う人が出て来ても構わないから振り切ってひどい事を言ってほしいと感じながら見ていた。話の展開が見ている方が期待するほどに進んでいかないようで、もどかしく感じられる所があった。ネタ後の振る舞いが面白かった。

 

女芸人No.1決定戦 THE W 2019|日本テレビ