第42回ABCお笑いグランプリ

 

コウテイ(漫才「定時になったら」)

マヂカルラブリー(漫才「オーロラ」)

●ミルクボーイ(漫才「うまい棒」)

 

Aブロック

Gパンパンダ(コント「マジックバー」)

さすらいラビー(漫才「学生時代の恋愛」)

オズワルド(漫才「ダイエット」)

さや香(漫才「鼻くそ食べたことある?」)

 

Bブロック

パンプキンポテトフライ(漫才「女の子が家に来る」)

ダブルヒガシ(漫才「優雅なパーティー」)

コットン(コント「お見合い」)

蛙亭(コント「自転車撤去」)

 

Cブロック

チェリー大作戦(コント「極道」)

赤もみじ(漫才「誕生日プレゼント」

カベポスター(漫才「少年探偵」)

空気階段(コント「給食費」)

 

 

最終決戦

カベポスター(コント「手品」)

蛙亭(コント「ポイ捨て」)

オズワルド(漫才「腹がたつおじさん」)

 

 

 

 

ブロックごとに一言感想

 

●オープニング

今年はコウテイ、マヂラブ、ミルクボーイ。コウテイはメタっぽい漫才、マヂラブは何度も出してるオーロラ、ミルクボーイはまた面白いモチーフを探り当ててきた。ミルクボーイはたまにネタ番組に出ていつも違うお題でやってるから鮮度が保ててる。コウテイに関してはメタというよりも、この後の組にも通じる話として「一個押しネタの難しさ」というのを感じた。

 

●Aブロック

Gパンパンダ。最近のコントを見て感じる事なんだけど、設定の面白さはあるんだけどそこから先の展開が乏しい。設定のアイディアが秀逸な時点で面白いコント認定でいいといえばいいんだけど、話が進むにつれてどんどん面白くなっていくというのが漫才もコントも理想だと思ってる。さすらいラビー。設定の作り、キャラの造形、最後の展開としっかり作られているんだけどどこか優等生的で、新しさは感じない。オズワルド。細部は全然覚えてないけど、Aブロックの中では断トツで抜けてた。言葉選び、話の展開、一からオリジナルな会話を創作している手作り感がある。ダイエットの話をしているはずがいつの間にか恋愛の話に移行するんだけど、一本の話の流れにまとまっていく構成がすごい。さや香は、新山さんの熱のある演技は相変わらずすさまじいものがあるけど、題材選びに難しいものを感じた。下ネタとか下品な要素ってさや香の芸風に合っていないと思う。「一個押しのネタの難しさ」をここでも感じる。やっぱり途中で飽きてくる。ものすごく面白いから一個で押せるのであって、そこまででもないとしつこく感じられてくる。

 

●Bブロック

パンプキンポテトフライとCブロックの赤もみじは、このメンツの並びで見ると、ネタが弱いように感じた。ダブルヒガシ。お題が面白くて、楽しい漫才だったんだけど、お題を超えて行ってないような感じもする。Wボケスタイルの漫才は笑い飯を連想するんだけど、頭に笑い飯の漫才が全く過らなかったという位の大喜利力が必要なネタだったように思う。コットンはかなり良くて、自分はBはコットンだと思ってた。きょんの女性の演技には魅力がある。ただ喫煙者あるあるみたいなネタだから、人によってわかるわからないの温度差はあるのかも。蛙亭は、不条理なコント。いつもは現実にありそうな場面や人を誇張して描いたりするネタが多いコンビだけど、今回は少し変わった世界観でつっこみ不在。あとあと思い返すと、不思議な魅力を感じるけど、見ている間はわかりやすいコットンに負けたと思って見ていた。

 

●Cブロック

チェリー大作戦は良かった。このコンビの粗削りな魅力というのは出て来た当初の千鳥を思い出す。自分たちが面白いと思うことを全力でぶつけてくる感じ。M-1はわかんないけど、KOCは準決勝、決勝を狙える位置にいると思う。赤もみじ。つっこみの人の言い方と顔はだいすきなんだけど、お題を含めて話の内容に興味を惹かれない。カベポスター。かまいたちの山内さんも言ってたけど、ネタの創作性はそのままに、頭でごちゃごちゃ考える面倒さのないネタで、この出来なら今年、M-1ファイナリストも十分あり得る。空気階段はなんとなく「筋肉少女帯」の世界を思い出して見てた。これはこれで素晴らしいけど、お笑いのベクトルから少しだけずれたものを感じた。

 

●最終決戦

カベポスターはNHK新人お笑い大賞のネタ。ここでこのネタを持ってこれたなら、あとは他次第で優勝はある。お客さんの反応を見るとあまりネタバレもしてない様子。優勝ネタに相応しい出来、1本目の漫才もすごく良かったし、心情的にはここで「このあと波乱がなければカベポスター」と思って見ていた。蛙亭は、「有ジェネ」でやってたネタ。カベポスターのネタと比べると、シンプルで短い感じがする。すごく好きなネタだけど、ネタ尺や内容的に満足度がやや物足りない感じ。オズワルド。かなりややこしいネタを持ってきたので厳しいかと思っていたけど、結果的には優勝。何でもないような話をややこしくしていくという、漫才としての新しさを感じた。この仕組みについていけるお笑いファンの理解力の高さに驚く。本来は、評価はされるけどあまり受けないタイプのネタのように感じる。「ただ面白いネタ」というよりは、何にも類似しない、新しい表現を伴った面白さをが求められているように感じた。オズワルド、カベポスター、蛙亭という上位3組には特にそれを強く感じた。

第42回ABCお笑いグランプリ|朝日放送テレビ