ツギクル芸人グランプリ2022

今回から生放送、という事で太田さんがはしゃいでいて楽しかった。やっぱり賞レースはライブ感が大事。録画放送は冷める。この大会は各局のバラエティ番組の製作スタッフが審査員を務めているのが目新しくて面白い。審査方法に関して、面白いと思った1組に一票を投じる形より、100点満点の採点の方が賞レースらしくて好きだけど、視聴者投票枠を含め、フジテレビらしい楽しい賞レースの雰囲気。どことなくTHE MANZAIっぽいというか。最後に5票ずつに票が割れて視聴者投票で勝敗が決したというのは、どうもしっくりこない。M-1もKOCも途中経過の順位はともかく最後の優勝者が同票で決まったことはない。このシステム設計が惜しかった。ネタについて簡単にブロックごとに感想

 

●Aブロック

ママタルト。大鶴肥満のキャラをネタに反映しきれてないのがいつも気になる。今の時代にストレートにハゲ、デブ、ブス弄りはなかなかできないと思うしそういう漫才を志向していないんだろうと思うけど。

TCクラクション。こういう事って今の時代なら、割とある事で、そうなると日常の一コマという感じでこじんまりして感じる。もっとあり得ないような飛躍があるかと期待した。

ストレッチーズ。昨年のM-1準々決勝ネタ。なぜ落とされたと界隈で言われていたけどここで報われた。なんとなく練習感、台本感が今のM-1の審査員に刺さらなかったのかなくらいに思ってたけど、こういう場で改めて見直すと熱量のある漫才ってテレビ向きというか賞レース決勝戦映えすると思った。

サスペンダーズ。自分はサスペンダーズ推しで良いネタだったのであの場にいたらこっちに投票してたかもしれない。このネタは2人とも表情の演技がすごく良い。特に依藤さんの気持ち良くなって喋ってる感じが可笑しい。見る人によっては「いい先生じゃん」と思うから、それが「何が面白いのかわからない」に繋がる可能性もある。いい先生だけどなんか無神経でいやだという隙間を捉えた所がすごく良いと思う。内向的な転校生と、無神経でポジティブ思考の先生との噛み合わない温度差の面白さというか。古川さんが心の内の声じゃなくて、実際の言葉として伝えて、それでも取り合ってもらえない感じも昨年のネタと比べて新しさがある。ここは上手くハマれば今年のKOC優勝候補だと思う。

ゼンモンキー。笑いに都合の良い筋書きのネタというのはあまり好きではなくて、このネタにはそれを感じた。犯人の恋人のただの民間人にピストルをいきなり渡すなんて事は先ずないと思う。

 

●Bブロック

Gパンパンダ。このコンビは昔からずっとネタが面白い。アイドルのコントとボクシングのコントは未だによく覚えている。シンプルで無駄のない構成。

竹内ズ。水ダウで話題の不仲コンビ。ネタは初めて見た。バカバカしくて良い。校長先生がこんなこと考えないと思うけど。審査コメントでもあったけど理屈で見るようなネタじゃない。意味はあるけどない、わかるけどわかんないみたいな、不条理ともちょっと違う、バカコントという感じ。

キュウ。3年位前のM-1予選ネタで大好きなネタ。これが初見の今年の新作ネタだったらまた印象が違うんだろうと思う。やっぱりこういう場では新しいネタが見たい。

パンプキンポテトフライ。長髪のイメージが強かったけどこういうバカネタをやるなら坊主の方が良いのかも。言ってしまえばポイズンの「ものまね」のエッセンスのネタかなと思ったりするけど。つかみからバカ全開だし、つっこみの言葉選びに個性があって面白い。

わらふぢなるお。面白いネタだと思うんだけど、なんかあんまりハマってない感じがする。スプーンだけを持ってくるように連絡したほぼクレーマーのような人が常識的な立場のつっこみの役で、捻じれを感じるのかも。

 

●Cブロック

ネギゴリラ。自分は裏回しとかよりも、授業中に学校の先生とずっと会話してる生徒いたなーとあるあるっぽく見てしまった。

ハナイチゴ。ハナイチゴは大好きで、この絶叫漫才の前にやってたdis漫才も好きだった。「おもしろ荘」で見た時も思ったけど、最後の歌詞の件が自分はしっくりこない。歌の話で気が合うから、最後の絶叫の流れが繋がってないような印象を受ける。

森本サイダー。まあこういうわけわからないネタが一組くらいあっても良いかなと。

さんだる。ほっこりハートフル系でさんだるらしくて好きなんだけど、良い人、良い話感が強いと笑いの感情がちょっと落ちる感じはする。

10億円。見た目の雰囲気で、金属バットのパチモン感が出てしまうのは後の世代の宿命のようなものでしょうがない。実際雰囲気がかなり友保さんに近い。ネタのセンスはすごく面白くてびっくりした。最後の終わり方も好き。

 

最終決戦

ストレッチーズの2本目は1本目に劣らず面白かった。2本ともしゃべくり漫才の形式で変な屁理屈に翻弄されるという基本は一緒で、内容が全然別物で良かった。1本目と同じ件が2本目に入っているような、姉妹作のような感じだとくどくなる。GパンパンダはR‐1とかでも結果を出してる星野さんに注目が集まりがちだけど、一喜一憂する一平さんの人間味がネタ以外の部分で現れててよかったと思う。ネギゴリラ。自分は二本目の方が好きかも。合言葉が変というネタはほかでも見たことがある気がするけど飛びぬけて変で可笑しかった。1票くらい入っても良かったんじゃないかと思ったけど。

 

 

ツギクル芸人グランプリ2022 - フジテレビ

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