ブロックごとに感想
・春とヒコーキ(「慰謝料」)
・サスペンダーズ(「パフェ」)
・さすらいラビー(「シミュレーション」)
・インポッシブル’「コロシアム」)
トップの春とヒコーキから、決勝レベル。分かりやすくてパワフル。ぐんぴぃのキャラを知らなくても見た目で伝わる。ただ、振りが長いネタや、間に落ち着く時間がある構成のネタよりも、早めに掴んでその後ずっとガンガン受け続けるというタイプのネタの方が有利なのかなという感じはする。5分ってやっぱり長いので、笑いが少ない箇所があると勿体ない感じがする。サスペンダーズは大好きで応援してるコンビだけど、自分の好みでいうと依藤さんのキャラが本当に居そうな痛い奴という設定の方が好き。ツギクルでやった面接や先生のように。
さすらいラビーは、定番の男女コント。さすらいを推してる勢からしてもちょっと物足りなかったんじゃないかと思うけど、どうなんだろう。インポッシブルはいつも通り元気だった
・相性がいいよね(「悪魔」)
・ダウ90000(「人形劇」)
・Gパンパンダ(「インターン」)
・ダンビラムーチョ(「ビースト高校」)
相性がいいよねは初見のコンビだったけどすごく良かった。2人の掛け合いのパンチがずっと強い。ネタのクオリティは文句なし。若手を大抜擢するには、キャラに既視感があったのが引っ掛かる所だけど。
ダウは、大分期待されて、会場はウェルカムムードすらあったけど、人形劇のコントが準決勝初日で3組続いたのは、3組ともにとって不運だったと思う。決勝に通るとしたら3組の中から1組だろうから。ダウも強かったけど他2組も強かった。
Gパンは、一平さんの演技が良すぎるし、分かりやすいネタで、決勝戦映えしそうな気がする。
ダンビラは迷いがなくバカで面白い。立ち話で進行していくのに、いろんな情景が目に浮かんでくる。こんなバカげた世界なのに、妙にディティールが細かくて生活感みたいなものがあるのがよりバカバカしい。
・ななまがり(「合戦」)
・やさしいズ(「女子バレー部」)
・しずる(「殺人事件」)
・いぬ(「ボルダリング」)
ななまがりはらしさ全開なんだけど、ゴールデンの決勝をイメージするとネタが地味に感じる。やっぱり森下さんのキャラクターだったり狂気、気持ちの悪さみたいなものを求めてる。やさしいズは徐々に引き込んでいったけど、他のネタでタイさんが演じるキャラが観客のハートをガッツリ掴んでたのと比較するとそこまでではなかった。
しずるはちょっとシュールな雰囲気のネタで好みだった。ありそうでなかったような発想。ここも全然可能性あると思う。
いぬは決勝戦映えするコントだと思うけど、途中でセットの壁が傾く場面があって没入感が削がれた。これもまた、分かりやすさもあるけどシュールでもあるので、万人受けする感じのネタではないと思うのでその辺りで評価が割れそう
・ブラゴーリ(「ホスト」)
・や団(「餃子」)
・シティホテル3号室(「通販番組」)
・cacao(「野球部」)
ブラゴーリは準々決勝と同じネタ。コミカルでザ・コントという感じ。や団は流石の実力者。ストーリー自体が面白く、それが徐々に明らかになっていく過程の一つ一つの場面でのやり取りも面白い。シティホテルは決勝でやっても確実に受けて評価されると思う一方で、他のコンビと比べて、ニンが伝わってないのが不利ではある。コントも漫才同様に、「誰がやっているか」によって受け具合が変わってくる。素のキャラクターや他のネタの印象も薄い中で、ネタのクオリティだけでここまで受けきるのはものすごいこと。
cacaoも同様に、全国的に無名のトリオ、個々の名前を知ってる人なんて相当なお笑いマニアしかいない。という不利はありつつ、ネタ勝負で爆笑をもぎ取った。こんなネタは見たことがないという驚きと、結局、本能的に笑ってしまうのは理屈より、こういう単純な人間の動きや行動だったりするなと思う。このネタはもう一度決勝の舞台で見直したい
・おおぞらモード(「結婚相談所」)
・カベポスター(「怪奇現象」)
・コットン(「人形劇」)
おおぞらモードは、個性があって現代的な感性で、優しくて穏やかな世界が魅力。ゆったり進むので手数的に物足りなさはあるかも。カベポスターは思いっきりコント、古典的ですらある設定だけど、新しい世代の感覚のコントに仕上がってた。ここも人柄の良さがネタに滲み出てる。コットンは、人形劇被りさえなければ、文句なしで有力候補なんだけど、どうしてもそこで立ち止まって考えてしまう
・気になるあの娘(「花屋」)
・金の国(「再会」)
・ファイヤーサンダー(「毒舌散歩」)
気になるあの娘は、テレビ映えとインパクトは凄いと思う。ただロジックの部分がもやっとするのはある。金の国は、シンプルでストレート、インパクトも強い。ただこれだけ濃い錚々たるメンバーの間に入るとあまり印象に残らない。リアルな設定のコントの方が見たかった。ファイヤーサンダーは去年の準決勝ネタ。あまりネタバレの影響がないようでよく受けてた。ここまでのイチウケくらいの体感に感じた。まあこのネタを決勝で披露しないまま、埋もれさせておくのは勿体なさすぎる。もし決勝に残ってこのネタを1本目にやったら上位3組に残ることもあるかもしれない
・トゥリオ(「喫茶店」)
・蛙亭(「死の館」)
・セルライトスパ(「夜行バス」)
・プラン9(「ボーリング」)
・ザ・マミィ(「二社面談」)
トゥリオは受けで言えば一番くらいかも。ただメタっぽいコントだから、素直に上げてもらえるのかどうか。蛙亭は、どうしてもオタクっぽいしゃべり方って既視感がある。セルスパ、自分が好きな掛け合いで進んでいくタイプのコント。東京でセルスパを見れて嬉しい。相当面白かったと思う。ただストーリーの部分で、まあこういう気持ちもわかる、こういう事あるよね、みたいな感じで感情移入することができず、展開の後付けみたいな風に感じ取ってしまった。プラン9はあんまり見たことが無かったんだけど、これだけ個性豊かなメンツが揃って、個々のパーソナルな魅力は発揮されず、シチュエーションコメディなんだと思って肩透かしに感じた。ザ・マミィは酒井さんのニンが知れ渡ってる上に、違和感のない配役、人力舎らしいダーク要素もあり、安心して決勝で観れるコントという感じがした
・うるとらブギーズ(「東京に行ってミュージシャンになる」)
・マイスイートメモリーズ(「脚立」)
隣人は、こっちを決勝でやった方が良いとビスブラ原田さんにアドバイスされてたという昨年の準決勝ネタ。自分も断然こっちのネタの方が好き。また見る事が出来て良かった。この世界とは似て非なる、この2人だけしかいないギャグマンガの世界のような感じがして、2人しかいないけどそれが全てみたいな温かさを感じる。
うるブギ、久々に見たけど、復帰したばかりという状況を逆手に取ったようなネタだったのが良かったし、ネタの発想と2人の演技が素晴らしすぎた。こういう可笑しさこそうるブギの真骨頂だと思う。このネタも、もう一度決勝でじっくり見直したい。マイスイはKOCではあまり取り上げてもらえない傾向のハートフル系コント。最初はちょっと物ボケみたいな事かなと思うんだけど、脚立をいろんなものに見立てて表現していくのが美しくて良かった
・ロングコートダディ(「アグリの涙」)
映像モニターを使用する関係でこのブロックは一組のみ。流石の実力者。自分達のワールドに染めて、ガンガン受ける。ただこういうスタイルのネタを決勝で観たいかというと個人的には、他にも見たい組が大勢いるのでちょっと違うかなという印象は受けた
・スクラップス(「人形劇」)
・TCクラクション(「ドラム」)
・ラブレターズ(「季節外れの海」)
・ニッポンの社長(「野球部」)
スクラップスの人形劇もかなり良かった。発想やインパクトでは他の2組より上。テレビ越しに見たらどんな感じになるかわからないけど、話題のネタになりそう。TCはいつも面白い。今回のネタもバカバカしいし、ハートフルで和むし、坂本No.1のフレーズも冴え渡ってる。ただ他と比べると物足りない。
ラブレターズは割と変なネタだったと思う。というかよくわからなかった。音響設備の相性の問題もあるのかもしれないけど、2人の声は聞き取りづらさがある。溜口さんは叫びながらしゃべるし、塚本さんはボソボソっとしてて。
満を持してのオオトリ、ニッポンの社長。無駄をそぎ落としてひたすらシンプルにナンセンスな世界を。昨年がああいうネタで今年がこういうネタなら、多分厳しいかなーと思う
ファイナリスト予想ではなくもう一度見たいと思ったネタ
cacao
や団
トゥリオ
隣人
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