M-1グランプリ2020 敗者復活戦

各組一言感想

 

金属バット

15組の中から選ばれるタイプのネタではないし、トップバッターという事もあって推しだけど、早々に今年は難しいと思った。今回のネタは、非凡性やヤバさが薄らいでいる気がした。金属をM-1決勝の舞台で見たいと思ってるお笑いファンは沢山いると思うけど、このネタで上がるのは物足りなさを覚える。

 

タイムキーパー

よくあるような話の流れで進んでいくけど、後半の歌のパートやメタフィクション的なつっこみの回収もありとても完成されたネタ。ただのませた子供という事ではなくて、テーマ性がきちんとあって、それに沿って必要なものだけが無駄なく収められている。

 

コウテイ

敗者復活戦での仕上がり、受け具合、決勝映えを考えると、今年決勝に上がっていてもおかしくないコンビだったと思う。今回のネタは、ボケパートを交代制でやる構成で目新しく感じたけど、元々ボケとボケの漫才ではあるので違和感はない。ただどうしても笑い飯が頭を過るので、見せ方としては良くなかったかもしれない。ネタのセンスがすごく漫画的で、それもコロコロコミックとかの子供向けのギャグっぽいから、少なくとも今回の内容で決勝に上がっていたとしても、上位にはつけられなかった気がする。

 

カベポスター

東京ホテイソンの感想で書いた「考える分のタイムラグがあるネタ」。笑いたいという気分の時に考える作業って結構ストレスになるから、それを差し引いて爽快感を味わえて爆笑出来るような強さがないと、こういうネタは難しい。

 

インディアンス

ライブで見ていた時は、楽しそうに漫才をやっている感じが本人達は楽しんでるけど周りを巻き込めてないような気がしたけど、それは自分がインディアンスに思い入れが少ないからで、視聴者投票で勝ち上がったんだから結果的に巻き込めてたという事なのかもと思う。敗者復活戦と決勝では同じネタだけど、細かい部分で違いがあり、自由度の高さは魅力だと思った。

 

からし蓮根

ムラがあるなあというのと、自分はからし蓮根を見ているとつっこみに違和感を覚える事が多いという事に気付いた。小さな違和感なんだけどそれが気になる。

 

ぺこぱ

松蔭寺さんがボケだったような、毒の要素はぺこぱには合わないし、ネタ全体がなんかちぐはぐな作りでよくわからなかった。

 

ランジャタイ

「仮装大賞」って結構分かりやすいネタだと思うけどそれがこの反応なら、もしかしてランジャタイは決勝に上がれないまま終わるのではないかと思えた。過去ネタの改変で余計にカオスになった感じはある。ヤンキーのネタみたいな感じなら決勝で見てみたいという気はするんだけど。

 

滝音

造語が多いので伝わり難い感じはあるのかもしれない。自分はすごく良く感じたけど、ここもムラがある。

 

キュウ

このネタは名作で「ゴリラであいうえお作文するなよ」は今年のM-1全体の中でも屈指のつっこみフレーズだと思う。ただヨーグリラの所で、思いのほか盛り上がらない感じ、後半の大事な所で失速する感じはある。ここは独創性の高い漫才を作り出し続けているので、ハマれば来年の決勝有力候補だと思う。

 

学天即

決勝に上がってても遜色がない出来。15年目のラストイヤーで、かつてのTHE MANZAI時代の学天即の輝きを放っていた。プラスマイナスとはまた違った意味でベテラン感が強くM-1の雰囲気に映えるかというと合わない感じもする。

 

ゆにばーす

決勝に上がっててもおかしくない、ゆにばーすの漫才として完璧な出来だったと思う。ただ自分はどうしてもゆにばーすのネタの作り物っぽさ、お芝居っぽさが苦手なので惹かれるものがない。

 

ダイタク

過去に何かで掛けたネタだと思うけど、情報がアップデートされているのが面白い。ボケの間合いとかつっこみの決めフレーズとか、印象に強く残る。ダイタクは15年以内に一度決勝に上げないといけないコンビだと思う。

 

ロングコートダディ

ロングコートダディは毎年ネタのパターンが変わっててどれも独創性に溢れていて本当に面白い。決勝でも受けそうなネタという意味では近年では一番だったかも。同じ繰り返しになるので、平坦に感じる所があり、もうひとつ何か大きい波をっていう感じはする。

 

ニッポンの社長

自分は今年のM-1で一番笑ったのは、マヂラブでもおいこがでもなく、ニッポンの社長だった。こんなにワケが分からないのに笑えるのは不思議だけど、ナンセンスな笑いという事なんだと思う。ケツさんがなんで切れるてるか全く分からない。ニッポンの社長って一見するとつっこみのようにキレるケツさんがボケで、辻さんもボケという新しい形の漫才をやっている。効果音ミスや5時のチャイムが流れるアクシデントによって一層面白く感じさせられた。