ゲーム芸人のフジタさんが大好きでYoutubeチャンネルの登録をしてるんだけど、そこに何故か宮迫さんがゲストで出てて、なんとなく観てたんだけどなつかしさもあり凄い良かったなと思えた。フジタさんだって広く見れば、有名な芸人さんではあるけど、宮迫さんは全国区のテレビのメジャーフィールドでサクセスして、明石家さんまさんやダウンタウンの松本さんに、可愛がられてたというよりも実力を認められて重宝されていた存在で、フジタさんとの差異を野球で例えれば、ノンプロの個性派選手と、プロの一軍で10年間レギュラーを務めた選手、くらいの差がある。2人のトークを聴いて、そんな事をぼんやり感じていた。今はテレビに力がない、ネットの時代とはいえ、テレビの歴史の延長線上にネット時代の今があるというのが正しくて、若い世代は初めからネットで勝負のタイミングだから別だけど、若い頃、テレビの時代でそこで活躍できた人と、できなかった人の差というのは大きいと思う。フジタさんのトークや振る舞いがダメというわけではなく、宮迫さんのトークスキルが秀でていて、現在、ネットメディアでしか活躍の場がないのは、テレビ界における大きな損失だと思える。
そんな折、宮迫さん主演映画の「蛇イチゴ」を見る機会があった。この映画は役者さんの演技、西川監督のディレクションや脚本、すべてが高い水準で調和しており、とても面白い映画なんだけど、その中でも主演の宮迫さんの放つオーラ、この人以上にこの役を上手く演じることができる人はいないんじゃないかと思えるほどの適役で、異様な存在感を示している。
自分はあまり宮迫さんの人柄が好きになれなかったんだけど、宮迫さんの良い部分も悪い部分も含めて、宮迫さんの個性であり、魅力であり、宮迫さんそのものだったんだという事に今更ながらに気付かされた。そう思ったら、嫌だと思ってた部分すらも愛しく感じられるようになってきた。
さんまさんや松本さんは、宮迫さんの持つ狡猾な部分をよく理解した上で、それをも含めて好きだったんだと思う。
宮迫さんが演じる周治は宮迫さんの素の部分と重なる部分が多い。何でも人よりも優秀で器用にこなす事ができる才覚、表面上の人当たりの良さとユーモア、自分が大好きなナルシストで他者の事を省みない冷酷さ。
家族をも騙して取り込もうと画策する宮迫さん演じる周治を見限ろうと、手を尽くすつみきみほが演じる妹との関係は、雨上がり決死隊の解散を予見していたかのようでもある。
天然素材の時代から、コントはグループの中で一番面白かったし、ダンスはいつもセンターでキレキレだった。歌を出せばヒットして、役者としても演技派として評価された。冠番組を多く持ち、レギュラー番組は途切れなかった。めちゃイケのスタッフや松本さんらに認知されだしてから一気にスター街道をまい進した。テレビから離れてコンビ解散後もYoutubeで活躍を続けている。ここまで器用になんでもこなせる芸人さんは他にいないと思う。
劇中で宮迫さん演じる周治に対して「何をやっても生きていける」と言うシーンがあるけど、あれも正に宮迫さんに重なる。トラブルや失敗、裏切りや挫折があっても、自分の居場所を作って身を立てるバイタリティと才覚が宮迫さんにはある。