M-1グランプリ2019 和牛編

敗者復活戦は、振り返ってみると和牛しかいないという感じがしたけど、今回の和牛がすごく良かったかというと、和牛のネタの中ではそんなに良かったとは思えない。ネタの質はずば抜けて高い、だけど、面白さよりも巧さの方が印象に残ってしまうような漫才だった。今回の「部屋選び」のネタは自分には、過去の和牛のネタのパターンに感じられた。ネタ振りをして最後に大きな笑いに繋げていくという構成。そこに意外性や鮮度はあまり感じられなかった。構成や仕掛けに重きを置いているが故に前半のやり取りが自分には少し空虚に感じられた。敗者復活戦と決勝戦で同じネタをやったように今かなりのスランプなんだと思う。予選で見ていた時も淡々としていて、よく言われているように熱量を感じなかった。上沼さんが叱咤激励をしたように、やる気が無いとか大物ぶってるとかそういう事じゃなくて、行き詰まってるんじゃないかと危惧している。上沼さんの発言は賛否あると思うけど、自分はあれば愛情表現だと思うしあの言葉を受けて奮い立たないようなコンビではないと思う。本調子じゃなくても決勝まで残って4位に食い込むのは、実力の高さの証拠で、旧M-1笑い飯の存在とオーバーラップしてくるものがある。

あと、敢えて書く必要も無いかもしれないけど、和牛、かまいたち<ミルクボーイ、ぺこぱという評価になったのは、やはり初物の勢いと鮮度には勝るものはないと改めて感じた。だからこそ新しいものを模索して苦しんでて、結局得意パターンに収まったというのが今回の和牛だったと思う。